令和6年能登半島地震 災害リハ活動報告

 2024年1月1日に発生した能登半島地震では石川県を中心に大きな被害が発生しました。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

 初動対応として1月3日に石川JRATの現地対策本部、1月4日にはJRAT中央対策本部(東京本部)が設置され、1月8日には石川県と石川JRAT間で協定を締結。全国の各都道府県のJRAT組織(地域JRAT)へ現地(石川県)への支援チームの派遣協力依頼があり、JRATの活動は4月30日まで行われました。
 当協議会会員のPT・OT・STも静岡JRATの派遣チームのメンバーとして参加し、計12回(12隊)、PT20名、OT7名、ST6名が現地で支援活動を行いました。

 今回の経験を今後の災害リハビリテーションに活かすため、派遣に参加した当協議会会員から寄せられた活動報告を掲載いたします。
 なお、2024年7月27日に当協議会が開催した「災害リハ支援者養成研修会」でも活動報告を行っております。
 アーカイブの動画はこちらからご覧頂けます。

能登半島地震後、現地活動・本部活動の両方を経験して

浜松医科大学医学部附属病院
理学療法士 髙栁勇太

 能登半島地震では、現地活動、本部活動の両方を経験することができました。被災地にはとても多くの避難所が立ち上がり、現地で活動するJRAT隊員は避難所の環境整備やリハトリアージや動作指導等、リハ専門職として対応する事例は多くあったかと思います。本部活動も情報発信、活動開始以降の情報共有、活動拠点の配置、前線拠点の配置、人員調整、受援者管理、物資管理、各隊の活動報告の集計等…
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能登半島地震活動報告

磐田市立総合病院
 理学療法士 寺田僚介

 令和6年1月1日に能登半島地震は発災し、1月3日石川J R A T災害対策本部が設置され、1月8日に石川県と協定書の締結によりJ R A Tの活動は開始されました。1月8日の穴水町の避難所から始まり、1月25日から始まった輪島市を最後に被災した市町全域での地域J R A Tの活動が開始しました。私は静岡J R A Tの一員として当院のリハビリテーション医とともに1月26日から28日にかけて…
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令和6年度能登半島地震JRAT活動について

浜松医科大学医学部附属病院
言語聴覚士 飯田衛

【活動内容】
 保健師さんや地元PTさんから頼まれた未介入の避難所の巡回、そこでの自由会話や問診、ADLや嚥下評価など実施しました。事務作業について、LINEで石川JRATなどへの活動報告、輪島市や珠洲市でのロジスティクスや会議参加、報告書作成、JRAT後続隊への申し送り資料作りや伝達など実施しました。難渋したことは…
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令和6年能登半島地震被災地支援に携わって

国立病院機構 静岡医療センター
言語聴覚士 小村紘路

 静岡JRAT⑤(活動日:02/13-02/14 活動場所:七尾市・志賀町)の一員として、現地支援に携わる機会を頂きました。私は主に自動車の運転、避難所情報の記録業務を担当しました。また、避難者1名の方に嚥下機能評価を実施し、避難所職員に嚥下に関する助言を行いました。活動期間中は天候や衣食住に…
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令和6年能登半島地震における支援活動について

JA静岡厚生連遠州病院
理学療法士 木下拓也

1.はじめに
 令和6年1月1日に発生した能登半島地震は、石川県をはじめとする北陸の各県に甚大な被害をもたらしました。今回、一般社団法人日本災害リハビリテーション支援協会(以下、JRAT)の隊員として参加した2月10日~12日(3日間)の現地活動について報告します。

2.活動内容
 JRAT支援活動の原則は、1)発災直後より保健・医療・福祉調整本部に参画、2)避難所が開設されてからの支援、3)医療や介護保険サービスに繋ぐ、4)地元の地域リハビリテーション活動等へ移行し撤退、5)避難者の住民力を活かし、役割、活動、参加等を提案、とされています。私が現地活動を行ったのは…
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JRATだからできること

浜松北病院
理学療法士 川久保知美

【はじめに】
 令和6年1月1日に石川県能登半島において地震が発生し、甚大な被害が生じました。私は、同年2月23~25日、医師1名PT2名ST1名の計4名、静岡では9隊目となる災害リハビリテーションチーム(以下、JRAT)の一員として支援活動をしましたので、以下に報告いたします…
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能登半島地震で静岡JRAT第10陣・11チームで支援活動を行わせて頂きました

浜松医科大学医学部附属病院
理学療法士 浅井聡

 2024年1月1日16時05分に発災しました『能登半島地震』で今回、静岡JRATで活動させて頂きました。発災から2ケ月が経った3月1日から3日までの活動で同行スタッフは医師、理学療法士の3人グループで支援場所は輪島市輪島地区を中心に訪問させて頂きました。3月でしたが、まだ雪が残っていました。半壊や全壊の家屋に赤紙や黄紙等が貼っていて輪島の朝市は火事で焼け野原になっていました。そんな中、受難者の方々は毅然として生活を行い、我々を受け入れて下さり…
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令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション支援活動に参加して

農協共済 中伊豆リハビリテーションセンター
 理学療法士 小林庸亮

 私が支援活動に参加させていただいた3月中旬は、発災直後を応急修復期として、復旧期、復興期の順に移行していく内の、復興期のタイミングにあたる時であった。復興期とは、発災前の状況に戻せるよう、地域に根付いたリハビリテーションへの以降支援を行う時期となり、JRATの支援活動も徐々に撤退していく方向で調整が進んでいる時期であった。七尾市や志賀町は要支援者の減少と避難所の統合にともない、JRATの撤退に際して地域での支援活動に大きな問題はないとの判断であった。
 しかし、能登半島全体でみると…
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令和6年度能登半島地震被災地支援に関わって

JA静岡厚生連 遠州病院
理学療法士 山下浩史

1.はじめに
 今回、能登半島地震の被災地支援活動に静岡JRATの一員として、令和6年3月15日〜17日の3日間参加しました。被災地での活動内容や初めての被災地支援に関わった経緯について報告いたします。

2.被災地での活動内容
 私の所属した静岡JRAT第12陣はPT4名、OT1名であり、被災地での活動経験のあるPT1名以外、私を含めて他の4名は初参加で…
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能登半島地震JRAT支援活動報告~2度の現地支援活動を通して~

静岡県リハビリテーション専門職団体協議会
会長 和泉謙二

 この度の能登半島地震災害支援において、フェーズとしては復旧期にあたるであろう2月中旬、および3月中旬に現地支援要員として活動して参りました。いずれも七尾市(2月は志賀町でも活動)での活動であり、介入時期の違いによる現地の変化、JRAT側の支援体制の変化も踏まえ、災害時リハ支援での基本原則であるCSCARICの観点から報告します。

(解説)CSCARICとは…
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 その後、2024年12月7日に当協議会が開催した「第13回静岡災害リハビリテーション研修会」では、公益社団法人石川県理学療法士会・公益社団法人石川県作業療法士会・公益社団法人石川県言語聴覚士会の役員の方々から受援時の対応について学ぶシンポジウムを行いました。
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