②能登半島地震活動報告

磐田市立総合病院
理学療法士 寺田 僚介

 令和6年1月1日に能登半島地震は発災し、1月3日石川J R A T 災害対策本部が設置され、1月8 日に石川県と協定書の締結によりJ R A T の活動は開始されました。1月8日の穴水町の避難所から始まり、1月25日から始まった輪島市を最後に被災した市町全域での地域J R A T の活動が開始しました。私は静岡J R A T の一員として当院のリハビリテーション医とともに1月26日から28日にかけて被災地域の支援活動を行いました。

 災害時のリハビリテーション支援は、被災状況などの諸事情により支援のニーズは異なり、経時的状況変化に応じた支援が求められます。私たちは医師と療法士の2 人チームであり3日間で行える支援も限られました。しかし少人数の分、機動性が高いこともあり3日間で志賀町、中能登町、珠洲市、輪島市と広域にわたり派遣されることとなりました。活動は発災後1ヶ月弱であり仮設住宅への入居は開始されておらず避難所での活動が主な支援であり、避難所の環境アセスメントや廃用症候群の予防が主な支援となりました。

 派遣スタッフは日頃から連携をとっている集団ではないため統制が取りづらいところや、医療界においてリハビリの観点が十分ではなくD M A T をはじめその他団体との調整が難しい側面があると感じました。県外の派遣スタッフは避難所ごとに支援物資や生活スペース、自治体のサービスの違いもあり、避難者それぞれのニーズを掴んで支援を行うことが非常に重要であると感じました。

 また現地の医師や療法士の方と避難所を回る機会もいただいたことで生活環境や文化など的確なニーズを汲み取る現地スタッフの重要性を実感しました。地域の文化や特性を理解し、連携を強化することが、災害時の支援活動において重要だと考えます。今後静岡地方での災害においても、被災側、当地の文化を知る側として体制を整えていく必要があると感じました。

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